
タイトル:スピンアウト作品としても…
評価:3
日付:2008-11-12
コメント:実はガチガチのSF作品だった、キネティックノベル「planetarian」の、パッケージ版初回限定版についていたおまけ小説の書籍化。
「その後どうなったのか」が解らない、非常に煮え切らない思いを抱かせる本編を補完する作品群(短編集)です。前々から欲しかったものの、プレミア価格に阻まれていたため、今回喜んで購入しました。とりあえず、文章や描写力は安定していて、出版物としての基本が押さえられているのは嬉しいところです。(元がゲームのおまけ文書だったので不安でした)
ところが…
問題は、そのあんまりな内容と、本編との毛色の違いでしょう。
本編ラストの解釈が分かれていた部分(主人公はどうなったのか)はきちんと明かされるものの、その答えから期待される展開とは言い難い、閉塞感漂う内容です。正直、本編のラストよりさらに気分の重たくなる展開で、頭を抱えました。本編のプラネタリウムで出てくるような希望へ繋がるメッセージは見られず、ただひたすら出口のない世界の行く末を見せられるのは辛いものがあります。
結局、「ロボット」と言う存在に託された人間の希望と悲哀を美しく描いた本編と重なるのは第一話程度です。あとは、悪い意味でSF趣味が前面に出たような作品ばかりで、本編からのスピンアウトとして疑問が残ります。
本編が好きなら一種のコレクターズアイテムとして意味はあるでしょうが、本編の補完を期待するとがっかりするかと。また、本編をやっていない人間にとっては何がなにやら解らないでしょうし、これを読んで本編をやりたくなるとも余り思えず、総じてお勧めはしにくいです。